お兄ちゃんになった長男が「僕もおっぱい飲みたい」と言った。
私も次男も経過は良好で、お世話になった産院を予定通り退院、家族4人での生活が始まりました。
何だかいつもとマロの様子が違う、と感じたのは退院後すぐ。わがままになり、言葉遣いも荒く、思い通りにいかないとものを投げる行動も目につきました。
私もイクメンも自身が第一子なので、下の子が出てきた時の葛藤はよーくよーく理解しているつもりでした。なので、妊娠中から第一子ファーストを心がけ、マロを無理矢理お兄ちゃんにしないことに心血を注いでいました。
それでもやっぱり、彼の心は穏やかではないようでした。
赤ちゃんへの嫉妬そのものをなくすことはできませんが、何か親にできることがないか、マロと2人きりになって話してみました。
普段は弁が立つマロですが、気恥ずかしいのか、自分の葛藤を表現する語彙が足りないのか、言葉少なでした。いつもより小さな声で言葉にしてくれたことは2つ。
赤ちゃんはうるさいし、うるさくしても怒られないのが嫌だ。
そして、
僕もおっぱいを飲んでみたい。
「赤ちゃんがうるさい」と言う割に、マロは赤ちゃんのノイズを気にしている様子はありません。むしろ、泣いていると積極的に様子を伺っているようにも見えました。
「赤ちゃんばっかりずるい」という思いはもちろんあると思います。ただ、観察していると、それだけではないのかも?と思いました。
具体的には、赤ちゃんがぐずったときに、子どもの自分だけ為す術がないことに疎外感を覚えているようにも見えました。
試しに、彼が能動的に興味を持ったタイミングで、赤ちゃんのお世話を手伝ってもらいました。すると自信がついたのか、マロは自分から赤ちゃんに関わることが増えてきました。
手伝ってもらう、とはいえ、実際は余計な手間と時間がかかるわけです。
3歳児のやる「お世話」なので、赤ちゃんは沐浴で顔に水をかけられたり、手を踏まれたり、散々な目にあっています。ただそこで水をさすと、マロが赤ちゃんと関わるのを避けてしまう気がするので、大目にみています。次男には気の毒ですが・・・。
「おっぱいを飲んでみたい」については、1回だけ飲ませて(なめさせて)あげました。「お・・・美味しい!」と言いつつ、その後二度とねだることはありませんでした。
こちらは赤ちゃんへの嫉妬というよりも、単純な好奇心だったようです。そして美味しくなかったようです。
私はマロと同じ長子として、精一杯彼に寄り添い、彼のペースで2人目の存在を受け止められるよう、ケアにつとめてきたつもりでした。
マロのことが大切であることを日々表現し、「お兄ちゃん」と呼ばないようにし、赤ちゃんに授乳中でもマロとの遊びを優先しています。
私自身が親にこうして欲しかった、と思いつくことをしているつもりだったのですが、それは若干空振りだったのかもしれません。彼はむしろ自分なりにお兄ちゃんになりたいようです。
私はといえば、下ができて親のアテンションが分散したことを、大学入学まで引きずっていました。小さな人間です。それと比べると、マロは健全な葛藤の過程を踏んでいるようです。