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【絵本レビュー】働く車と働く人の絵本、『おたすけこびと』(なかがわ ちひろ)

マロが働く車に興味を持ち始めたころに、あれこれ買い集めたなかの一冊です。息子はどハマりすることはありませんが、コンスタントに読んでとせがむお気に入りの絵本です。

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ある男の子の誕生日のために、母親の依頼でこびとたちがケーキ作りを下請けする話です。大きなケーキをつくるために、こびとたちが建機を駆使します。可愛らしいストーリーでありながら、建機はしっかりと書き込まれていて、乗り物好きも満足できる絵柄です。ホイールローダーで小麦粉をすくいあげたり、コンクリートポンプ車でホイップクリームを絞り出したり。
文字が少ない絵本で、見開き2ページで一文しかありません。疲れているときでも最後まで読んであげられる、親にとってもありがたい絵本です


この絵本で面白いのは、こびとには人格がなく、沢山の人の集合体として描かれている点です。色々な表情と動きはしているものの、個人の特定はできません。みんな凡庸な外見をしていて、ひたすらケーキ作りというミッションに取り組んでいます。
私には『おたすけこびと』が労働を描いたファンタジーに読めます。母親の「よろしくね」の一言で大量のこびとが現場に駆り出される姿は、まさにディベロッパーの発注で施工業者が動く、建設業界の縮図のように見えます。
一丸となって働くこびとたちはみんな幸せそうにケーキを作っていて、労働の喜びが表現されています。ひとつ気になるのが、発注元の母親がまるで自作かのようにケーキを提供するシーンで終わっている点です。一所懸命働いたこびとたちに、何らかの対価を提供しているページがないと、なんだか不安な読後感が残ってしまいます。