後天的に絶対音感は身につくか。
以前認知特性について書きましたが、マロは耳から情報を取る聴覚優位者です。
サラ太はまた違うような気がしますが、それはまたいつか改めて。
マロの聴覚優位をもっと尖らせたい、と思っていたところ、この本に出会いました。
人口の0.2〜0.5%しか持っていないと言われている絶対音楽を、90%以上の成功率で身につけることができる方法がある、と謳っているのです。
かなり胡散臭く聞こえるのは否めない。
ところがこの本に書かれているメソッドが、私には極めてロジカルに思われました。
特に「絶対音感を身につけるためには、相対音感を身につけないことが必要」という理屈にはかなり納得感がありました。
かくいう私自信が、まあまあの性能の相対音感を持っているからです。
楽器を習っていたころ、自称絶対音感の人をよく見かけました。その多くが、高性能の相対音感や部分的絶対音感の持ち主であり、絶対音感とは似て非なるものであることも、この本を読んで理解しました。
1%未満の人しか持ち得ない能力を、トレーニングでによって90%超の確率で身につけられる。
惹かれませんか?惹かれざるを得ないですよね。
絶対音感が何役立つのかなんてこの際どうでもいい。希少なスキルがトレーニングで身につけられるという点に、私の実験心はやられてしまいました。
気になり始めるといても立ってもいられず、前述の書籍の江口式を採用している『一音会』の門戸を叩きました。入会すると、まず子どもの発達状況についてのアンケートと合わせて、音の聞き取りチェックのためのCDが送られてきます。
一音会では、教室に通う方法、FAXや郵便でやりとりする通信の方法、インターネットでオンラインで行う方法、の3つから選べます。我が家は圧倒的な手軽さでオンラインを選択しました。
やがてURLが送られてきて、付与されたアカウントでログインすると個々人にカスタマイズされた画面が現れます。今12和音トレーニング中のマロのスクリーンはこんな感じ。
やることはシンプルで、流れる音に合った色をタッチします。赤はドミソ、オレンジはミソド、黄はドファラです。
音階で和音を教えると相対音感まっしぐらなので、色名で覚えるのが最大のポイントです。
これまたよくできていて、同じ動物同士は同じ音階で構成されています。
例えば赤とオレンジはいずれもドとミとソで構成されているので、混同したとしても大きな問題ではありません。むしろ混同の仕方によっては絶対音感に近づいているケースもあり、赤とオレンジの混同は良いミスとされます。
こういったミスについて分析された上で、個々人に合ったカリキュラムが組まれ、定期的にメールでアドバイスが届きます。
この1セットで30和音の音当てを、一日に4-5回行います。1セット3分くらいで、1日15分程度を一音会のおけいこに使っています。隙間時間に家でできるので、習い事としては全く重たくありません。
最初は面倒臭がっていたマロですが、徐々に生活の一部のようになり、今では特に抵抗なく一日4回取り組めています。
6月に赤1色から初めて、ここまで躓かずにこれました。全ての和音を横で聞いている私ですが、悲しいかな、マロのおけいこが進めば進むほど、自分に絶対音感がないという証左を突きつけられています・・・。
典型的な相対音感で、1つめの音が分からないんですよね。1つ目がわかると、そこからの高低差で8割くらいはわかります。
5歳のマロは1音目を外すことはまず無く、全体的な正答率も9割5分以上。やはり良い耳を持っているなと感心します。
彼に本当に絶対音感が身につくのかどうか、はたまたその前に挫折してしまうのかどうか。トレーニングの様子はまた書きたいと思います。
ところでこの和音のトレーニングを始めて1ヶ月以上たったころ、イクメンから「和音って何?マロが聞いてる音って一個じゃないの?」という衝撃発言が出ました。
(さすがに和音は単音に聞こえんやろ・・・そのサイドについている耳は飾りなのかい?)という言葉はぐっと飲み込んでおきました。彼は視覚優位なのでね。そんなものなのかもしれません。
夫婦って凸凹だから面白く続けられる部分もあると思っています。