おもちゃと5歳児と2歳児とイクメンとの生活

かわいい息子たちで実験育児

私が直面した不育症について

突然ですが、今妊娠中で、夏には2男児の母になる予定です。マロがお兄ちゃんになるのがとにかく楽しみ。

2人目までの道のりは順調ではなく、1年の間に3回妊娠し、うち2回は稽留流産となり手術しました。その後に不育症グレーの診断を受け、3回目の今の妊娠は服薬して継続しています。最近は力強い胎動を感じるようにもなり、ようやく感傷的になりすぎずに妊娠について語れるようになってきました。

反復流産した後、メンタルは真っ暗でした。それでも少しでも前を向こうと、関連書を読んだり検索したりして、自分に何が起こっているのかを知ろうとしました。
一方で、不育症や習慣性流産に関しては日本語の情報が極めて少なく、同じようなWebサイトをぐるぐるしていました。

ここで書くべきか悩んだのですが、ただ悲しい経験をしたというだけで終わるのが悔しいので、何かアウトプットを残しておきたいと思いました。また次からは育児ブログに戻ります。
私は医療関係者ではありませんが、1人の経験者として同じ経験をされて苦しんでいる方の参考になればと思い、いくつか書き留めておきます。


何はなくとも不育症検査
産科医の多くは、生まれてこない命に対してはあまり関心がなさそうだと感じました。
それは責められないことでもあります。流産は15~20%の確率で起こると言われています。6人の妊婦が来たら、1人は流産することになります。親身になりようがないのです。
流産が3回続くと不育症の話をする産科医もいますが、しない産科医も多いです。4回目でうまく行けばそれで良いからです。

私は2回の流産後に、自分で病院を探して不育症検査を受けました。通っていた産科では検査に消極的でしたが、2回の流産の経過に何となく違和感があったからです。

流産・死産経験者の方、それが1回でも2回でも、何か引っかかるようであれば、専門院での不育症検査を強くおすすめします。
内診と血液検査で、血液検査の結果は2週間ほどでわかります。血液検査の項目は病院によってまちまちです。検査項目が多く10万円ほどの費用がかかるところであれば、ある程度信頼がおけると思います。保険適用範囲内での検査をすすめるところも多いようですが、あまり意味がありません。


不育症には治療法がある
不育症の検査項目は沢山ありますが、治療法はシンプルです。
子宮の形状の問題であれば手術、血液の問題であれば服薬と注射、染色体の問題であれば着床前診断です。
私はプロテインS活性という項目が基準値よりも低く、血液の問題で不育症グレーと診断されました。こういった項目はまず通常の血液検査では調べません。基準値から外れていても、妊娠以外の日常生活に何の問題もないからです。
私の場合は、小児用バファリンの服薬のみで妊娠継続できています。同じ血液の問題でも、自己注射が必要なケースもあります。


不育症の治療はリスクがある
小児用バファリンを処方されたとき、「これだけ?」と拍子抜けしました。小さな小さな薬なんです。その薬のあるなしで、発生する命としない命があるなら、もっと気軽に処方できないの?とも思いました。しかも重篤な副作用はないとされている薬です。
ところが服薬を始めて気づいたことがありました。まず、血液を固まりにくくする薬なので、数ヶ月の服薬中ずっと怪我に気をつけなくてはなりません。
同じ理由で、羊水検査や絨毛検査ができません。服薬を中断すればできますが、それは順調に育っている胎児をリスクにさらす決断でもあります。
そして大きいのが、漠然とした不安の継続です。服薬なしで産まれてきた元気一杯のマロと、薬の力を借りて育っている2人目。本当にマロのように健康に産まれて育ってくれるのか、不安は拭えません。お守り代わりにと薬を処方する病院もあるようですが、不育症の診断は慎重であるべきだと個人的には思います。


流産すると、大体の産科医はこんな言葉をかけます。

「全妊娠の2割は流産」
「初期流産のほとんどが染色体異常」
「既に1人子どもがいるのであれば、不育症の可能性は低い」
「双子はそもそも流産しやすい」
「不育症検査をしても、原因がわからないことが多い」

こういった言葉に納得して前に進める人は、それでいいと思います。でも、モヤモヤして次の妊娠が怖くなっているのであれば、不育症検査を躊躇うことはないのではないでしょうか。

流産する確率が、みんなに平等に20%なわけではない、と私は思っています。5%の人と40%の人がいると考えると、色々と納得できます。
自分の次の妊娠がダメになる確率が5%寄りなのか40%寄りなのか、知りたいと思うのは当然です。40%を減らす治療法があるのであればなおさらです。

流産ってものすごく悲しいことです。直後は「また次がある」なんてとてもじゃないけど思えなくて、家族の喪失に等しい、しかも誰にも共有しにくい孤独な悲しみです。

不育症の研究がもっと進み、検査も受けやすくなり、悲しい経験をする人が減っていくことを願っています。