おもちゃと5歳児と2歳児とイクメンとの生活

かわいい息子たちで実験育児

【絵本レビュー】怖くない鬼の絵本『おにはうち!』

節分の前後に、鬼にまつわる絵本をいくつか読みました。なかでも、中川ひろたかさんと村上康成さんの『おにはうち!』がとても良かったです。

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「におくん」を自称する子鬼が、正体を隠して人間の子どもの仲間に入れてもらうところから話は始まります。みんなでやる草野球で、におくんが大活躍します。ところが、途中で園の先生に呼ばれて、豆まきが始まってしまいます。におくんは逃げ出してしまって、残りの子どもたちで先生と豆まきをします。
絵本の中で、におくんの正体が鬼だと明かされることはありません。におくんという名前や、ちらっとだけ見えるツノから推測することしかできません。この絵本はそういった控え目なところが良いです。
最後に園長さんが「おにはうち!」と言いながら子どもたちに「みんなと遊びたい鬼もいるかもしれない」と語りかけるのも、押し付けがましくありません。とにかく読後感があたたかい一冊です。
何もかも説明してある絵本は、子どもを子ども扱いして甘やかす絵本です。赤ちゃんのころはそれでも構いませんが、2歳になると文間を読ませるような絵本が情緒を育てます
マロはにおくんの正体が鬼であることを、言われずとも理解しています。「鬼が来るかもよ?」と脅かすと、ビビりながらも「におくんが来るんじゃない?」と呟いて恐怖を退けようとするのが健気です。

ちなみに、鬼の絵本では『あかたろうの123の345』もマロは気に入っていました。赤鬼がお母さんを探して電話をかけるお話です。数字や電話好きな子どもにおすすめ。

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育児の脅しとして使われることが多い鬼ですが、怖くない鬼の存在が多角的な視点を育ててくれたらなと思っています。