おもちゃと5歳児と2歳児とイクメンとの生活

かわいい息子たちで実験育児

【絵本レビュー】『きんぎょがにげた』(五味 太郎)

五味太郎さんの『きんぎょがにげた』は、金魚鉢から飛び出した金魚を探す絵本です。ピンク色の1匹の金魚が、ページごとに家の中の様々な場所に隠れています。最初はすぐわかる場所に、最後の方になると、大人でも一瞬探してしまうような分かりにくい場所に逃げ込みます。文字は最低限しかありません。「きんぎょがにげた」「どこににげた?」などのシンプルなフレーズだけで、あくまで金魚が紛れ込んだ絵がメインの絵本です。

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この本が素晴らしいのは、子どもと親が対話しながらページをめくっていくことができる点です。絵本のページをどんどんめくってしまうマロでしたが、この本を前に、金魚を探してじーっとページを見つめ、指で指し示すことができるようになり、成長を感じました。上手に見つけられると親も褒めたくなりますし、見つけて褒められるのが嬉しいようで、マロはこの絵本で金魚を探すのが大好きです。金魚を見つけた瞬間は、まだ言語表現が拙い息子とでも、意思疎通の手ごたえを感じることができます。

こういった見つける系の絵本からは、一方的な読み聞かせよりも相互作用が生まれやすいと思います。成長してストーリーが理解できるようになるまでは、絵をネタに子どもとのコミュニケーションを楽しむのも、絵本の使い方のひとつかもしれません。