おもちゃと5歳児と2歳児とイクメンとの生活

かわいい息子たちで実験育児

【絵本レビュー】『きんぎょがにげた』(五味 太郎)

五味太郎さんの『きんぎょがにげた』は、金魚鉢から飛び出した金魚を探す絵本です。ピンク色の1匹の金魚が、ページごとに家の中の様々な場所に隠れています。最初はすぐわかる場所に、最後の方になると、大人でも一瞬探してしまうような分かりにくい場所に逃げ込みます。文字は最低限しかありません。「きんぎょがにげた」「どこににげた?」などのシンプルなフレーズだけで、あくまで金魚が紛れ込んだ絵がメインの絵本です。

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この本が素晴らしいのは、子どもと親が対話しながらページをめくっていくことができる点です。絵本のページをどんどんめくってしまうマロでしたが、この本を前に、金魚を探してじーっとページを見つめ、指で指し示すことができるようになり、成長を感じました。上手に見つけられると親も褒めたくなりますし、見つけて褒められるのが嬉しいようで、マロはこの絵本で金魚を探すのが大好きです。金魚を見つけた瞬間は、まだ言語表現が拙い息子とでも、意思疎通の手ごたえを感じることができます。

こういった見つける系の絵本からは、一方的な読み聞かせよりも相互作用が生まれやすいと思います。成長してストーリーが理解できるようになるまでは、絵をネタに子どもとのコミュニケーションを楽しむのも、絵本の使い方のひとつかもしれません。

【おもちゃレビュー】知育絵本『リズムにのってぽんぽんたいこ』

息子にはなるべく背伸びしたおもちゃを与えるようにしています。月齢にぴったり合っていて、開封した途端に気に入って遊んでくれるおもちゃも魅力的ですが、遊び方が分からなかったりうまく遊べないおもちゃが、しばらくして遊べるようになるプロセスに重きを置いているからです。そのプロセスこそが、発達を促していくのではという仮説をたてています。また、その方が色々な遊び方をしてくれてコストパフォーマンスが高いと感じます。与えた時点がピークだと後は飽きていくだけですが、早めに与えるとピークまで行って飽きるまでのスパンが長いです。

マロよりも1歳ちょっと上の子どもがいる友人に、最近遊んでいるおもちゃを聞いてみたところ、この絵本を教えてもらいました。音楽に合わせて太鼓をたたく絵本です。

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値段

2,052円 

良かった点

・内蔵音楽が豊富。おなじみの童謡からジブリ、クラシックまで。どれもメインのフレーズだけの程よい長さ。

・1つの音楽につき1つのボタンが対応。絵柄付きなので、子どもでも鳴らしたい音楽だけを鳴らすことができる。

・太鼓やボタンの音も、水の音や動物の鳴き声など種類が豊富。

・歌詞がついている。

いまいちだった点

・真ん中の太鼓が平面でボタンになっていないので、子どもが押してくれない。

・録音ボタンが主張しすぎている。

息子の反応

両サイドのボタンを押すと、都度違う効果音が鳴ってピカピカと光ります。ボタンを押す感覚とその効果が面白いようで、カチカチとよく連打しています。中央の太鼓パネルも触れると音がするのですが、ボタンになっていない上に光らないので、マロが触れることはほとんどありません。また、録音機能がついていて、好きな音を録音して再生できるのですが、この録音ボタンが赤い星型で目立ち過ぎています。その結果、マロはこのボタンも連打してしまい、せっかく録音したものが次々にマロの興奮した息遣いへと上書きされてしまいます。

好きな音楽のボタンを押して音に乗る姿はなんともほほえましいのですが、この絵本が知育的に何かしら役に立っていそうかというと、クエスチョンマークです。マロが音楽に合わせて太鼓を叩けるようになったらリズム感を養うのに役立つかもしれませんが、今はただ電子音が鳴ったり光ったりするのが見たくてボタンを押しているだけのようです。

publications.asahi.com

【お出かけレビュー】葛西 地下鉄博物館

鉄分爆騰中の息子ですが、全部「でんしゃ」だったところから、「しんかんせん」とそれ以外(なぜか「きゅうこうでんしゃ」と呼んでいる)の区別がついてきました。東京メトロの駅のポスターで地下鉄博物館の存在を知り、「きゅうこうでんしゃを見に行こう」と誘って行ってみました。

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値段

大人    210円

子ども    4歳未満無料 

良かった点

・アクセス抜群。東西線葛西駅の真横にあります。

・こじんまりとした博物館ながら、内容は充実。地下鉄の歴史から、車両の仕組、工事の風景、シュミレーターなど、大人でも子どもでも地下鉄に興味があれば楽しめます。我が家は2時間弱滞在しました。あいにくの雨でしたが、屋内施設なので問題ありませんでした。半日遊べるようなボリュームではありませんが、乳幼児連れにはちょうど良いと思います。

・館内に座るところがいくつかあって助かりました。

・授乳室もありました。 

いまいちだった点 / 注意点

・駐車場が十数台分しかなく、土日は朝から埋まってしまうようです。近所にコインパーキングはありましたが、車で来る人は注意が必要です。

・博物館中にレストラン等はないので、お弁当を持ってくる必要があります。無料で使える飲食スペースがあります。

息子の反応

東京メトロの路線を再現した大きなパノラマがあり、マロはそれが気に入ってほとんどの時間パノラマの前にいました。。このメトロパノラマでは、1日4回、HOゲージという鉄道模型を走らせるイベントをやっています。オペレーターが、東京メトロ全9路線のそれぞれの成り立ちや車両の説明をしながら、模型を動かします。イベント開始と共に沢山の人が集まって来ていて、地下鉄博物館のメインコンテンツだと思います。大人でも普段乗っている路線の知識が深まり興味深かったです。

マロはと言えば、このイベント中はずっと興奮しながら「でんしゃ!」「きゅうこうでんしゃ!」と繰り返して、イベントが終わって人が散っていったあとも、パノラマの前に座り込んでいました。車輌基地の動かない模型達を見つめながら、ぶつぶつと何事かを呟き、オペレーターのお姉さんに「もっかい!」とおねだりしていました。

シュミレーターや地下鉄クイズのコーナーも面白そうだったので、マロが子鉄のまま成長したら、また連れて行ってあげたい場所です。

【絵本レビュー】『Dear Zoo』(Rod Cambell)

息子をバイリンガルにしたい、とまでは思っていませんが、英語に対する抵抗感を持たないでいて欲しいなと思っています。それは別に将来的なスキルのためではありません。多様なインプットの経路を持っておくことで、価値観を豊かにしてほしいからです。同じ事件のニュースでも、和文と英文だと全くニュアンスが異なることがよくあります。時には正反対のことが書かれていることもあります。情報が安い時代だからこそ、両方を読解して自分で判断できる人間になってくれたらと思っています。

とはいえ、インターナショナルスクールの類は、家計的にも時間的にも我が家には現実的ではありません。家でできる範囲で英語に触れてもらいたいと、日々試行錯誤しています。

仕掛け絵本が大好きなマロに、手始めに英語の仕掛け絵本でも、と思って買ってみたのが『Dear Zoo』です。

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ペットが欲しいと思っている子どものもとに、動物園から様々な動物が送られてくるストーリーです。巨大すぎたり、獰猛すぎたり、重すぎたり、なかなかこれというものが送られてこないのですが、最後にはぴったりの動物がプレゼントされます。籠や檻がフラップになっていて、めくると中に入った動物が登場します。仕掛けはフラップだけなのですが、横に開けたり上に開けたり、細かい変化がつけられています。小さな子どもでも操作しやすく、厚紙で丈夫にできているのでなかなか壊されません。

展開がリズミカルでオチもほっこりする良い絵本なのですが、マロはいつも塩リアクションです。オーバーな読み方をしても塩。マロは動物に関心がないので、仕方ないのかもしれません。登場する動物の大きさや性質について、何の前提知識もないので面白みを感じられないのでしょう。またいずれ動物に関する知識がついてきたら興味を持ってくれるかもしれません。

【おもちゃレビュー】サクラクレパス 水でおとせるクレヨン

先輩のワーキングマザーに「同じのが家にあるから」とこのクレヨンを譲り受けました。子どもが床や壁に描いてしまっても水拭きで落とせるという代物です。時代は進んだものです。私はお絵かきが好きな子どもだったので、自分の幼い頃にこんなものがあったなら、と思わずにはいられません。息子がうらやましいです。中をみてみると、かつての「はだいろ」が「うすだいだい」になっていました。ここにも時代の変化を感じます。

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値段

700円くらい(頂き物) 

良かった点

・フローリングやテーブルにはみ出ても、ささっと水ぶきするだけで本当に綺麗に落ちる。

・子どもの筆圧でも発色が綺麗で、書き味も本来のクレヨンと変わらない。 

いまいちだった点

・カーペット等の布地についてしまうと、水だけだと全く落ちない。凹凸の壁でも落とすのは難しそう。

・クレヨンなので仕方ないが、柔らかくて折れやすい。すぐ削れるので、クレヨンの破片であちこち汚くなってしまう。

息子の反応

書き味が抜群で、クレヨンのままの色がつきます。最初に親が描いてみせると、マロもすぐに自分でクレヨンを握って、ぐいぐいスケッチブックに線を描き付け始めました。次々に違う色を手にとりながら、スケッチブックからはみ出して描き続けます。(普通のクレヨンだったらこんなことさせられないよなあ)と思いながら見ていたのですが、いざカーペットに付いたクレヨンを拭き取ろうとすると、水だけでは全然落ちませんでした。むしろ拭けば拭くほど広がり、最終的には染み抜きを使って落とさざるを得ませんでした

是非、『フローリングについても水で落とせるクレヨン』とかに名前を変えて欲しいところです。布に描いてしまうと、普通のクレヨンと同じように落ちないので注意が必要です。結局、フローリングエリアで描かせながら、カーペットにまで描かないように見張る必要があるので、好き勝手描かせてあげられていません。

でも、どこにでも描いて良いんだ、俺のキャンバスはこの部屋だ、などと思ってしまうと、落ちやすい画材しか与えにくいですし、そうなると結局お絵かきの幅が狭くなってしまう気がします。悩ましいところですが、マロにはそれぞれの画材の特性を知って使い分けて欲しいので、多少大目に見つつ、描いて欲しくない場所を教えていくことかなと思っています。

【絵本レビュー】『いないいないばあ』(松谷みよ子)

当時としては画期的な赤ちゃん向けの本として出版され、50年間も愛されている松谷みよ子さんの一冊です。

と、Wikipediaに書いてありました。私は恥ずかしながら知らず、出産祝いに別々の方から2冊いただいたことで、その人気と歴史を知りました。息子に一番最初に読んであげた絵本です。

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最初に顔を手で隠した動物が描かれていて、ページをめくると手を離して「ばあ」とやっている姿が現れます。仮に「いないいないばあをテーマに絵本をつくる」という課題があったとしたら、10人中8人はこの構成にするだろうと思われる原始的な絵本です。

マロが外部の刺激に反応し始めたころ、張り切ってこの本を読み聞かせたのですが、リアクションがなくちょっとがっかりしました。以降本棚の奥に眠っていたのですが、1歳過ぎてから食いつきがよくなってきました。何か絵本読んであげるよ、というと、高確率で「ないないばあ ないないばあ」と呟きながらこの本を持ってきます。正直かわいらしいとは言えない、むしろちょっと不気味な絵柄だと思うのですが、「ばあっ!」と開くたびに「にゃあにゃあ」「こんこん」「ちゅうちゅう」と、うれしそうに動物を指差します。

おそらくマロにとっては、『いないいないばあ』は既に内容を獲得した絵本なのではないかなと思います。出てくる動物達も認識していますし、ページの展開も既に知っています。だからこそ、予想通りの展開やその繰り返しが面白いのだと思います。一方で、読み聞かせる大人からすると、予想通りのことが繰り返されると、非常につまらなく感じます。私もマロがこの本を持ってくると、(またこの本か・・・・・・)とげんなりするのですが、マロの嬉しそうな表情を励みに何回も読んでいます。

【絵本レビュー】『とびだす!うごく!れっしゃ』(わらべ きみか)

仕掛け絵本が大好きで、大好きなあまりあっという間に仕掛けをだめにしてしまう息子。そんな息子のために、手ごろな価格の仕掛け絵本を探して見つけたのが、この「てのひらしかけえほん」シリーズ。

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このシリーズは本当に素晴らしく、本当に(大人の)てのひらサイズなのですが、開くとどのページからも信じられないほどダイナミックな仕掛けが飛び出してきます。しかも開いておしまいではなく、仕掛けを動かして楽しむ工夫も施されています。こんなにクオリティの高いものが500円ちょっとで買えるなんて、そしてそんな時代に子育てできるなんて、自分はなんて恵まれてるんだろうと思いました。そのくらいの傑作です。そんなことを思っていたのですが、最近このシリーズは値上げされて定価780円+税になったようです。

電車も仕掛け絵本も大好きなマロ。そのコンボとなればひとたまりもありません。一時期はこの絵本を毎日何度も開いていました。マロに愛され過ぎた結果、絵本のクライマックスのターミナル駅は、このようにまるで敵の爆撃を受けたような様相になってしまいました。もう1冊新品を買ってあげたいのですが、Amazonでは定価の3倍以上(!)で取引されていて、とても手が出ません。もしかしたらもう絶版なのかもしれません。外出時にもちょうど良いサイズで愛用していたので残念です。

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【絵本レビュー】『ノンタンはみがきはーみー』(キヨノ サチコ)

マロは歯が生えるのが遅い子どもでした。離乳食を始めても生えてこず、1歳になっても生えてこず、1歳とちょっとぐらいでようやく生えてきました。平均よりも遅いことは心配ではありましたが、歯磨きをしなくてすむのはいいなと思っていました。そして生えてからは毎日歯磨きをしているのですが、これが噂どおり本当に大変です。

ブラシを持たせても自分で磨きたがらないのはもちろんのこと、仕上げ磨きをしようとすると、激しく嫌がります。寝かせてもだめ、座らせてもだめ。イチゴ味の歯磨き粉もだめ。

何でも口に入れる割に、親の手にした歯ブラシだけは、毒を盛られる!とばかりに抵抗します。何とかブラシをねじ込んでも、今度は前歯でがっちりブラシヘッドをホールドし、頑として磨かせてくれません。その力が1歳児と思えないほどに強く、ブラシをびくとも動かせないのです。

Amazonで絵本クルーズしているときに見つけたこの絵本。『あかんべノンタン』であっかんべを瞬時に習得したマロ。ノンタンのキャラクターパワーに頼れば、もしかしたら歯磨きも・・・と思い、注文しました。

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赤ちゃん用の絵本とあって、内容は極めて単純です。ノンタンを始め、様々なキャラクターが歯磨きをするだけ。それぞれ「いいいのいー」や「しゅこしゅこしゅっしゅ」などのリズミカルな擬音がついています。

マロはすぐに「しゅこしゅこしゅっしゅ」が気に入ったらしく、歯ブラシを持つふりをして嬉しそうに「しゅこしゅこしゅっしゅ!」とやり始めました。これはしめたものだと思い、すかさず歯ブラシを握らせたのですが、すぐにぽろりと落としてしまいます。しょうがないので寝かせて「しゅこしゅこしゅっしゅだよー」と声をかけて仕上げ磨きをしようとしたのですが、やっぱり大暴れでした。

歯磨きの不快感の前には、ノンタンもリズミカルな擬音も、何の意味も持たないようです。確かに、ノンタンが歯磨きしている姿を見ることと、自分の口にブラシを突っ込まれることは別かもしれません。芸人が足裏マッサージを受ける姿を見て笑うことと、自分が激痛に耐えることとは別です。

少しでも歯磨きへの抵抗感をなくしてもらうために、次なる策を考えなければ。

【おもちゃレビュー】ニチガン社 くるくるスロープ

ベック社の『シロフォン付玉の塔』が欲しくて、息子に買ってあげたいなと思っていました。色とりどりの玉を転がすと、スロープを転がっていき、最後に階段状になっている鉄筋が鳴るというドイツのおもちゃの名品です。玉が不ぞろいになっていて、転がし方で音色が変わります。長く使えそうだし、大人でも楽しめそうなところも良いなと思い、夫に打診したのですが、「こんなに小さい玉がいっぱいあるなんて、絶対に飲み込む」と大反対されました。玉の塗料はなめても安全なものだし、もし誤飲しても便としてぽろっと出てくるんだよ、と説明したのですが、(何言ってんだこいつ)みたいな目で見られたので諦めました。

代わりに探して買ったスロープおもちゃがこの『くるくるスロープ』です。木製であることと手ごろな値段が決め手でした。

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値段

5,400円

良かった点

・塗装がしっかりしていて、ベロベロなめてもはげない。つくりもしっかりしている。

・スロープが長く、転がる様子を長く見ることができる。

・ボール、車、連結された車の3種類が付属している。1,2個なくしても遊べる。 

いまいちだった点

・写真には写っていないが、ボールがぎりぎり誤飲できそうなサイズ。口が大きいマロがなめているとハラハラする。口に入れなくなる年齢まで、ボールは親が管理しておいた方が良さそう。

・スロープにつかまり立ちすると、重みで倒れて危ない。

息子の反応

初めてボールを転がして見せたとき、興奮のあまりビクッと震えていました。そんな良いリアクションは最初だけだったのですが、自分で転がせるようになってからは、定期的に思い出したように遊んでいます。ずっと熱中しているというわけでもないのですが、カラカラという木の音も気に入ったようで、10分20分くらいは転がして眺めています。

最初はボールを乗せるところから始まり、車1台を正しく置いて転がせられるようになり、最終的に連結した車を真っ直ぐスロープに乗せられるようになりました。0歳から1歳にかけての進化が、このスロープを通じて感じられます。最近では、関係のないミニカーを乗せたりしていることもあります。何が転がりそうか理解し始めているようです。

付属の転がすものは3種類ありますが、総じて動きが単調で、反復して遊びたくなるようなおもちゃではないように感じます。もちろん個人差はあると思いますが、音が好きなマロには、金属製のシロフォンの付いた玉の塔の方が、もっと熱中してくれたんじゃないかなと思っています。とはいえ、転がす系のおもちゃ、いわゆるクーゲルバーンはひとつで良いと考えています。次に買うとすれば、キュボロのような自分で組み立ててスロープを作るようなおもちゃになると思います。

www.nocorp.co.jp

【絵本レビュー】『あかんべノンタン』(キヨノ サチコ)

夫が大好きだったと言うノンタン。20数年前のノンタンシリーズが、物持ちの良い義実家から送られてきました。その中の一冊です。中は得体の知れないシミや謎の落書きでいっぱいですが、読む分には支障ありません。

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ノンタンのことはもちろん知っていたのですが、大人になってから読んだのは初めてでした。ストーリーも覚えていないので、わくわくしながら息子とこの本を開きました。

あっかんべにはまったノンタンが、いろんな人にあっかんべをしてびっくりさせるストーリー。調子に乗ってどんどんエスカレートするのですが、最後には逆にあっかんべをされて逃げ帰ります。ここまでは勧善懲悪的でわかりやすいのですが、なんと最後のページで、一向に反省していないノンタンの姿が確認できるのです。

最後まで読んでオチに困惑している私をよそに、マロはたった一回の読み聞かせで「あっかんべ!」という言葉とポーズを覚えてしまいました。『あかんべノンタン』の表紙をみただけで「あっかんべ!」と言います。アンパンマンに匹敵するほどの、ノンタンの恐ろしいまでの訴求力を目の当たりにしました。夫の血なのか息子もノンタンが好きそうなので、ストーリーに疑問は残るものの他のシリーズも買ってみようと思います。

ところで、ノンタンのことを調べていたところ、手持ちのノンタンの本と作者名が変わっていることに気がつきました。そもそもは夫婦共同名義だったのが、離婚してノンタン著作権をめぐる泥沼裁判にもつれ込んでいたようです。(ノンタン絵本裁判) 結局妻側が勝ち、判決後に刷られたものは妻の単独名義になっているようでした。

子どもに愛されるノンタンのあかんべの裏には、大人の骨肉の争いがあったようです。